「ソーシャルマニュアル」という解

昨年、文書管理システムで有名なAlfrescoがクラウドサービスを始めました。システムにログインして、オンラインヘルプを見たら、「Alfresco Cloud Documentation」という名前の、これまでのマニュアルとはちょっと違う、斬新なオンラインヘルプが現れました。
Alfresco Cloud Documentation
オンラインヘルプ+動画マニュアル+ブログ+ソーシャルメディアといった感じのヘルプです。「オンラインならでは」の機能をふんだんに盛り込んでいることに関心しました。このヘルプはもちろんDITAを使って作られています。
この発見と前後してoXygenV14がリリースされ、WebHelp with Feedbackが出力可能になりました。調べてみると、どうやらAlfrescoのオンラインヘルプは、oXygenV14のWebHelp with Feedbackをカスタマイズして作成しているようです。
DITAの導入が進んでいる欧米では、こういう「オンラインならでは」の付加価値を加えたマニュアル制作が盛んになってきています。このヘルプを見ると、「何かわからないことがあったとき」、「何か困ったことがあったとき」に見るという従来のヘルプの域を超えて、「製品の魅力を知ってもらう」という製品プロモーションの領域に踏み込んでいるように思えます。
従来のマニュアルが、問題が発生したときに「ここに書いてあるでしょ」と言い訳するための「守り」の存在だったのに対し、これらのマニュアルは「この製品ではこんなことができる、便利でしょ」とユーザーを引き込むための「攻め」の存在に転じているような気がします。こういうマニュアルのあり方が、今後は増えていくような気がします。インターネットを検索すると、製品の便利な使い方を紹介したトピックがヒットして、それが製品の購入につながるというのは画期的なことではないでしょうか。そうすれば、世の経営者ももっとマニュアルに力を入れようという気になるかもしれません。
…てなことを考えて、「ソーシャルマニュアル」とでも言うべきマニュアルを試作してみました。
DITA1.1ライティングガイド
DITAコンソーシアムジャパンのウェブサイトからの公開を目指したいと考えていますが、とりあえずお試しということで。