xfy DITAエディタβ版の試用レポート

株式会社ジャストシステムが開発した、xfy DITAエディタのβ版を試用する機会を得ましたので、同ソフトウェアの特長を中心にレポートします。結論から言うと、DITAをほとんど意識することなく使えるように仕上がっており、DITAや構造化文書を編集したことがないユーザーに最適のDITA編集ツールです。

【重要】
今回試用したxfy DITAエディタはβ版です。製品版と仕様が異なる部分があり得ますので、注意してください。

タグを意識させないユーザー・インターフェイス

xfy DITAエディタにはタグの表示をオン/オフする機能があります。タグの表示をオフにすると、ワードプロセッサと同様のユーザー・インターフェイスになります(下図参照)。Enterキーを押下するだけで、p要素が挿入されるほか、リスト(ul要素、ol要素、dl要素)、図(image要素)、表(table要素)、およびリンク(xref要素)など、よく使う要素はツール・ボタンを使って簡単に挿入できます。

xfy DITAエディタの表示画面(タグ表示オフ)

見やすいタグ表示画面

構造化文書の編集に慣れたユーザーや、様々なDITAの要素を駆使して文書を編集する熟練ユーザーにとっては、文書構造の表示が欠かせません。構造化文書の編集ツールには、構造図とテキストを別のウィンドウで表示するものもありますが、DITAエディタではテキストといっしょにタグを表示させることによって、文書構造を意識した編集ができるようになっています。タグの階層構造に従ってインデントが付いているため、一目で文書構造が把握できます(下図参照)。

xfy DITAエディタの表示画面(タグ表示オン)

編集対象トピックの素早い切り替え

xfy DITAエディタの画面左部には、ドキュメントランチャーエリアと呼ばれる領域があり、この領域に複数のDITA文書を登録できます。複数のDITA文書の執筆・編集を同時に進める場合や、既存のDITA文書を参考にしながら執筆・編集を行うときに、素早く文書を切り替えることができます。

ドキュメントランチャーエリアに表示される文書のアイコンをクリックするとDITAマップが表示されます(下図参照)。DITAマップ上のトピックのアイコンをクリックすることによって、トピックの編集を始められるため、編集対象のトピックを素早く切り替えられます。

ドキュメントランチャーエリアの表示例


DITA文書の執筆・編集では、DITAマップにより情報全体の中でのトピックの位置づけを確認しながら作業を進めることが肝要です。xfy DITAエディタでは、ドキュメントランチャーエリアにDITAマップを表示した状態でトピックの執筆・編集が行えます。常にトピックの位置づけを意識しながら、1つのテーマに絞った簡潔明瞭なトピックを書くための、理想的な執筆環境だと言えます。