DITA→EPUB変換を使って技術文書をEPUBにするときの課題

EPUBで技術ドキュメントを書くのは難しそう・・・の記事に対して、尊敬する村田さんより下記のようなツイートをいただきましたので、私の言いたかったことを補足します。

【村田さんからのツイート】

2は、DITA -> EPUBコンバータの問題ではないかという気がします。

●DITA→EPUB変換により、なぜ情報取得の効率性が低下するのか

DITAでドキュメントを書くと、下図のように各トピックの末尾に「関連リンク」と呼ばれるリンクが生成されます。

DITAドキュメントの執筆者は、この「関連リンク」を活用して、読者が次に読むべきトピックを示したり、読者が必要としている情報を発見しやすくしたりすることができます。
下図に、DITAトピックをHTML Helpに変換した例を示します。

ここからが本題です。

WebブラウザやHTML Helpでトピックを読むとき、読者は簡単に関連リンクにアクセスできます。トピックが短くて一画面に収まるときは、画面の下端に関連リンクがあります。トピックが長くて一画面に収まらないときは、ページをスクロールすれば関連リンクがすぐに現れます。

ところが、DITAドキュメントをEPUBに変換すると、関連リンクへのアクセスが不便になります。DITAの1つのトピックは、EPUBに変換すると数ページにおよぶのが普通です。そうすると、関連リンクへアクセスするために、何ページがページをめくらなければいけなくなります。ペラペラとページをめくっていると、「あれあれ、行き過ぎてしまった」ということもあります。

CSSのデザインが悪くて、トピックの切れ目がわかりにくいとか、トピックの本文と関連リンクの見分けがつきにくいとかは論外です。

では、「この課題の解決方法はないのか」というと、そんなことはないと思います。
EPUB3になれば、JavaScriptが使えます。関連リンクへ素早く・簡単にアクセスできるように、DITA→EPUB変換ツールを改良することも可能ではないかと考えています。