DITAでeラーニング・コンテンツ(SCORM)を作成する

DITA1.2で、eラーニング・コンテンツを作成するための、Learning specialization elementsが追加されます。OASIS DITA Learning and Training Content Specializationサブコミッティーの公開ドキュメントのページから、DITAのサンプル・ファイルとDITA-OTのSCORM出力プラグインがダウンロードできます。

DITA Learning and Training Content Specialization SC Public Documents
http://www.oasis-open.org/committees/documents.php?wg_abbrev=dita-learningspec

このページの中の、「dita12learningsamples.zip」にサンプル・ファイルとプラグインが入っています。

このプラグインを使って、私がDITAコンソーシアムジャパンの活動の一環で執筆した、「DITA1.1ライティング・ガイド」をeラーニング・コンテンツに変換してみました。

この画面は、Learning specialization elementsの中の、問題を書く要素を試してみたところです。

以下のようなツールを使ってeラーニング・コンテンツを作りました。
XMLエディタ:oXygen V11(このXMLエディタは、既にDITA1.2に対応しています)
・DITA-OT1.5 M21

eラーニング・コンテンツの実行環境には、Moodleというオープンソースのラーニング・マネージメント・ツールを使っています。MoodleLAMPやXAMP上で動作し、SCORMコンテンツをインポートできます。

以下のような手順で、eラーニング・コンテンツを作成しました。

1. dita12learningsamples.zipに入っていたサンプルDITAファイルをテンプレートにして、「DITA1.1ライティング・ガイド」のコンテンツをコピペ
2. 出力タイプにscormを指定して、DITA-OTを実行
3. 生成されたSCORM準拠のeラーニング・コンテンツのファイル群をMoodleへインポート

15トピックほど作るのに、2日程度でした。もちろん、上記で作成したDITAファイルから、PDF、XHTML、HTML Helpなどを生成することも可能です。

疑問と問題が1つずつあります。

【疑問】
・マニュアルなどの文書とeラーニング・コンテンツのワンソース化を図ろうとしたら、DITAソースをLearning specialization elementsを使って書かなければいけないが、ちょっと無理がある。eラーニング・トピックの中に、コンセプト/タスク/リファレンス・トピックをネストする方法もあるが、余計な階層が出来て、好ましくない。どうすれば、シンプルにワンソース化が図れるのだろう???

【問題】
DITAでは、eラーニング・コンテンツのシーケンシング(学習シナリオ)を記述できません。別途、Reload Editorなどを使ってシーケンシングを編集しなければいけません。シーケンシングを書くには、トピックを書くより、う〜んと難しい。。。

もう少し、勉強が必要みたいです。
でも、同一のコンテンツから、SCORM、PDF、XHTMLなどなどが生成できるメリットは非常に大きいと思うので、もうひと頑張りしてみます。